重曹・セスキ炭酸ソーダ・炭酸ソーダで油汚れを洗ってみよう!その②<解説編>

2018-11-01 19:34:06
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重曹・セスキ炭酸ソーダ・炭酸ソーダで油汚れを洗ってみよう!その①<実験編>

そのまま続きです。

 

 

 

◎アルカリ剤が油脂汚れを落とす原理

 

前回の実験にて結論として

 

・重曹では油脂汚れはほとんど落とせない

・炭酸ソーダとセスキ炭酸ソーダなら油脂汚れがある程度落とせる

ということが分かりましたね!

 

 

 

まず、

 

なぜ特定の「アルカリ剤」を用いると油脂汚れが落とせるのかについてです。

 

 

 

ネット上でよく書かれているのは

 

「油脂は酸性汚れだから、アルカリ剤で中和することで落とせる」

 

という風に書いてあります。

 

 

 

 

しかし、厳密にはこの説明は誤りですf(^_^;)

 

 

 

似たような現象が起こるのは事実なので100%間違いとは言わないですが、

 

もしこういう内容のテストがあってこういう回答を書かれたとしたら、

 

僕は×を付けると思いますし、普通の化学の専門家は○は付けないと思います。

 

 

 

 

というのも、

 

そもそも「油脂」は「酸性」ではありません(^^;)

 

 

油脂の説明で「○○脂肪酸を含んでいる」とか書くので、

 

油脂=脂肪酸の複合物みたいに思って居る人が結構いて、

 

そういう誤解が発生しているのかなと思います。

 

 

確かに脂肪酸は酸の一種ですが、

 

油脂が○○脂肪酸を含んでいる、というのはあくまで便宜的な説明で、

 

実際には脂肪酸とグリセリンが化学的に合体してしまっているので酸性の性質は失われているのです。

 

 

詳しくは

 

オイルの酸化安定性を見破るには 【不飽和脂肪酸】と【二重結合】について

 

この辺の記事に構造なども詳しく書いています。

 

 

そもそも酸とかアルカリというのは水に溶けたものにしか存在しない概念なので、

 

「油」にはそのようなものは存在しないのです。

 

(実際、油脂の主成分の高級脂肪酸も水にはほとんど溶けないので厳密な意味で「酸」か?と言われると難しいところがあります。苦笑)

 

 

 

 

ではなぜ油脂が特定のアルカリ剤で落とすことが出来るのか?

 

というと、

 

それは油脂にアルカリを作用させると、「加水分解」という化学反応が起こるからです。

 

 

 

加水分解とは読んで字のごとく「水を加えると分解する」反応のこと。

 

中学校の化学でも一応習う、とても単純な化学反応の一種です。

 

 

 

しかし実際にはほとんどの加水分解反応は、水を加えただけでは起こりません。

 

大抵の場合は「アルカリ」を作用させることで反応を促進できます。

 

 

 

特に油脂などのオイル成分は水と混ざらないのでアルカリ剤が必要で、

 

油脂のような「エステル結合」を有する油分とアルカリ剤(と水)が反応して加水分解が起こることを

 

専門用語で『鹸化(けんか)』と言います。

 

 

 

鹸化って言葉聞いたことありますか?

 

これ油脂とアルカリから「石けん」を作る反応のことなのです。

(ちゃんと作るには油脂とアルカリを混ぜて加熱します)

 

 

超絶簡単な反応式もどきはこんな感じ↓

 

 

【アルカリ剤 + 油脂 → 石けん + グリセリン】

 

 

 

つまり、一言で言えば、

 

アルカリ剤で油脂を洗うことができるのは

 

アルカリと油脂を反応させて、

 

その場で「石けん」を作っているから

 

なのです。

 

 

 

加熱しているわけではないので生成量は少なく、全部の油脂が石けん化してるわけではないので

 

洗浄力や乳化力は実際に石けんを使うより圧倒的に小さいですが

 

それでも多少の油分を水中に分散して流す程度のことはできます。

 

 

 

重要なこととしては、

 

アルカリ剤を使えば界面活性剤を全く使わないで済むわけではなく

 

界面活性剤をその場で合成しながら洗っているということになるのです。

 

まぁ微量の石けんなのでだからどうというわけではないですが。

 

 

個人的には界面活性剤がミセルを作って乳化して洗うメカニズムより

 

がっつり化学反応を起こしているわけですからむしろ乱暴なことやってるイメージがあります(苦笑)

 

 

 

あと、

 

酸性の汚れをアルカリで中和して流している、というわけでもありません。

 

 

一部の油脂とアルカリで石けんを生成して、その乳化作用で残りの油を落としています。

 

 

 

 

 

◎弱すぎるアルカリでは「加水分解」は起こらない

 

 

image

 

 

しかし「重曹」など、

 

pHが8.2などの微アルカリ性では、

 

加水分解を起こすほどのアルカリに達していません。

 

 

 

本来は水酸化Naなどの強力なアルカリ剤を使用して行うのが加水分解の基本ですので、

 

弱いアルカリでは反応がほとんど起こりません。

 

 

そのため重曹では油汚れを流すことが出来なかったわけです。

 

image image

↑炭酸ソーダやセスキと同じ濃度でやるとベタベタに残ってしまいます。

 

 

 

ただ、全く反応していないのか?というと、そうではありません。

 

一応ごくごく微量の石けんは出来ていると思います。

 

でも油分を十分に流せるほどは生成されていらず、

 

まぁほぼ水と変わらないような状態になってしまいます。

 

 

10%くらいまではなんとか溶かせるらしいので濃度を上げればまだ洗える可能性はありますが、

 

そこまでして重曹を使うメリットがあるかどうかは謎です。

 

 

 

 

 

炭酸Naやセスキ炭酸ソーダは、9.8と11.2と、比較的pHも高くなっているため

 

1%程度の油分であればそこそこ流せるくらいの石けんが生成されたと考えることができます。

 

image  image

(左:炭酸ソーダ、右:セスキ炭酸ソーダの結果)

 

 

油脂汚れを落とすのに重曹を大量投入するくらいならセスキ炭酸ソーダなどを使用した方が良いでしょう。

 

 

 

◎アルカリ剤を洗濯やお掃除に用いる時の注意点

 

 

 

 

とはいえ、記事にも書いたように炭酸ソーダでも擦るとちょっとヌルヌルが残ってしまったり、

 

濃度が少ないと十分な石けんを生成できないので、

 

 

もし油脂汚れを本気でキュッキュッとなるほど洗う場合は

 

それなりに高濃度のアルカリ剤を使用する必要が出てきます。

 

 

 

すると、

 

例えば洗濯に使用した場合は粉末の溶け残りが発生しやすくなってしまいますし、

 

皮膚に触れた時に刺激になりやすくなってしまうなどのデメリットも考えられます。

 

 

またあくまで微量の界面活性剤(石けん)を合成しながら洗っているので、

 

 

石けんや合成洗剤そのものを使って洗うのとでは洗浄力には圧倒的な差があります。

 

石けんや普通の洗剤を使用したら、1%も入れれば1%の油脂など簡単に乳化できます。

 

 

 

 

 

アルカリ剤は全てミネラル成分のようなものですので、

 

確かに環境への負担は少ないのが非常に優秀ですが…

 

 

洗濯洗剤や通常のお掃除に使用する場合は色々とデメリットもあるのです。

 

 

 

ちなみに、

 

僕としては1%の低刺激の界面活性剤(例えば両性イオン系など)と、

 

1%のセスキ炭酸ソーダ水溶液だったら、

 

前者の界面活性剤溶液の方が皮膚刺激は少ないと考えます。

 

 

 

界面活性剤が無条件に危険なものだと考えている人も多いですが、

 

成分の知識をある程度付ければ

 

アルカリ剤などより断然低刺激・低毒性の成分がざらにあるので

 

より安心安全のお掃除&お洗濯が可能になります。

 

 

 

 

 

◎アルカリ剤を洗濯やお掃除に使用するとしたら?

 

 

 

僕ならアルカリ剤はハウスクリーニングには多少出番があるのですが、

 

お洗濯用途にはまず使用しません(^^;)

 

(そもそも僕は粉末状の洗剤を使用しないので…;)

 

 

単品で使っても洗浄力はあまり期待出来ませんし、

 

粉末残留があれば肌にやさしいとは言えないです。

 

 

もし使うなら普通の洗剤では落ちない酷い汚れのときに、

 

アルカリ剤を普通の洗剤と一緒に入れてpHを上げることで洗浄力を引き上げる

(陰イオン界面活性剤はアルカリ性の方が洗浄力が上がるので)

 

とかですかね。

 

 

しかし繊維もアルカリを強くし過ぎるととてもダメージを受けやすくなってしまうので、

 

アルカリ剤を使用して水をアルカリ性にする以上

 

は繊維へのダメージは上がってしまうと考えた方が良いです。

 

沢山アルカリ剤を加えてpHが10とかになってくると、

 

それだと中性の界面活性剤のみで洗った方が繊維への負担はよっぽど少ないです。

 

 

アルカリ剤=繊維に負担がない、というのは大きな間違いです。

 

 

 

 

また、界面活性剤のみでは固着した油の乳化はできないので、

 

アルカリ剤と併用して加水分解反応を利用しつつ汚れ落としをすることができます。

 

↑こういうギトギトの油の固着汚れにはアルカリ剤が活躍すると思います。

 

 

 

 

また「重曹」はアルカリ度が弱いのであまり使い道がないのですが、

 

水に溶けにくい粉末成分ということを応用して、

 

「クレンザー」のように研磨剤として用いる方法が主流です。

 

 

焦げ付き汚れみたいな擦って落とせる固着汚れに使用することはできるでしょう。

 

手刺激も弱いので、比較的安全に使用できます。

 

 

 

 

 

◎基本の「アルカリ剤」3種のまとめ

 

 

というわけでアルカリ剤も意外と奥が深いですね!

 

今回の3つの成分の内容をまとめるとこんな感じです。

 

 

 

あと前記事の冒頭で書いていたアルカリ剤によくある勘違いについてもまとめておきます。

 

 

・重曹は洗剤の代わりになる

▶ならない。アルカリが弱すぎて洗剤としてはあまり使えない。使うとしたらクレンザーなど。
 
・油は酸性汚れだからアルカリ剤で中和して落とせる
▶油(油脂)は酸性じゃない。油脂をアルカリ剤で落とせるのは加水分解反応によって微量の石けん(界面活性剤)を生成しているから。
 

・界面活性剤を一切使わないから安全・安心!

▶実際には石けん(界面活性剤)を生成しているから一切使っていないわけではないし、またアルカリ剤は皮膚刺激もあるので、低刺激の界面活性剤の方が安全に使える場合もある。

 

 

 

最近では界面活性剤もとても進化していてお肌に優しいものや環境に配慮されたものが沢山あります。

 

無論アルカリ剤が優れている点としてコストが安かったり環境に負荷が全く無いなどのメリットは確かにありますので、それそのものを否定するつもりは全くありません。

 

ただし、成分の特性を正しく把握しないと上手く使えなかったり

 

むしろ手肌や繊維などにダメージを与えてしまいかねません。

 

 

自然に生きるのも良いですが、

 

ある程度の化学知識は備えた上で上手く活用できるようにしたいですね!

というわけで今回も中々に骨太な内容になりましたが…(汗)

 

次回以降も成分解析やお知らせなどを交えながら

 

引き続き生活コラムを書いていきますのでお楽しみに(^_^)v

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