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『生きる〜アルコール依存症と戦って』住人たち

『生きる〜アルコール依存症と戦って』住人たち

おーい! 朝だぞー  ケッコ! ケッコ! コケコッコ!」


目覚まし時計を「ガチャガチャ」言わせて、廊下を歩きまわる。
 
起床の登板を自ら買ってでた、「ヤクザ」の通称「チン」さんは容赦なく明け方5:00に巡回する。

なぜ、「チン」さんというあだ名になったかと言うと、自分のシモの欲求を如何に処理するかに没頭した入院生活を送っていたからであった。

「外出届」の真の行き先は「昼サロ」であったり、昼間から営業をしている、「ソープランド」であった。

帰院前に弁当屋さんに寄ってきて「オードブル」を3~4つ、持って帰ってきては夕飯の各テーブルに「食っていいよ!」と言って置いて回る。


「チン」さんは紛れもなく、その筋のお方であるが故に優しかった。

私が恐れをなした「便だらけの徘徊じいさん」とよく入浴を共にしていた。
今で言う入浴介助を誰にも内緒でしていたのである。
この「徘徊じいさん」は「当病院ではこれ以上は無理です。」と言うことになって、それなりの施設に送られていったのだが、アルコール病棟を去る間際に「チンさん」の手を握りしめて号泣し、「ありがとう。」と言い残していった。


ある日、暴動が起きた。
 
きっかけは「インフルエンザ」の予防接種の自己負担金であった。
 
「インフルエンザ」の予防接種は、私が入院する2日前に行われていて、事の真相が分からなかったが、希望者のみに摂取されていたらしい。

病院という場所は閉鎖された空間であるにもかかわらず、院内感染の発生を嫌う。

名目上は「入院患者さんの院内感染を予防するため」であったし、その通りで構わないのだが、問題は接種料金であった。

故意にかどうかも分からないのだが、入院患者に予防接種の希望者を募った時点では無料であった。
だから、希望者という名目の下、全員が半強制的に接種を受けた。私も入院して3日目に接種している。


ところが数日経ってから、自己負担金の徴収が行われた。 金額は1200円だった。

「ずいぶん、安い予防接種料金だなァ  水で薄めたのか?」と私自身は思った。
ところがである。他の入院患者連中が怒りの声を上げた。


「ふざけんじゃあ~ねえよ! タダって言ったから、やってやったんじゃあないか! 今さら、金払えだと! 舐めんじゃあない!」 この言葉が2人や3人ではないのである。10人、いや、もっと多かった。

「インフルエンザの予防接種が1200円は安いと思うのですが、なんで怒り出しているんですか?」

何も知らないという事は、馬鹿を丸出しにして敵意を相手に突きつけることになる。


「あのな、あんたな、こっちはいらないもんに10円だって払いたくねえんだよ。10円あればゴールデンバットが1本買える。」

タバコは個人で売買されていて、バラ売りが主流であった事も、この時にわかった。

このアルコール病棟の住人たちのほとんどが、どこかの福祉を仲介して集められた生活保護者であった。

 ある日、抱えられながら病棟に連れてこられた爺さんは髪がベッタリと板のようになっていて、髭が伸びすぎてどこが顔だか分からない。

ただ、口を半開きにして、隙間から舌を覗かせている。

爺さんの通った跡は唾液で濡れていた。
 

連れて行かれた場所はよほどの事がなければ使われる事のない個室の浴室であった。

あまりの風態の悪さと汚物にまみれた不衛生な部分を看護助手が2人がかりで綺麗に洗って、髪はバッサリ切り落とし、髭もハサミで短くしてから、髭剃りを使って消し去った。
 

小一時間もして戻ってきた爺さんは「じいさん」ではなく「にいさん」であった。
 

引用元はこちらです。記事に関するご質問は引用元へお問い合わせください。http://immortal-office-club-alcoholism-recovery.blog.jp/archives/1553254.html

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